2021/7/24【沖縄に産まれたラッパーRITTO「ウチナー音タイム」上映+赤土-AKAZUCHI-ライブ】

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赤土 -AKAZUCHI-のライブに行った

 那覇市在住のラッパーRITTO(りっと)さんが率いるオキナワンHIPHOP集団”赤土 -AKAZUCHI-”のライブに行った。@那覇市桜坂劇場。当日は、RITTOさんを主人公にしたドキュメンタリー映像作品の上映(奥間勝也監督)+赤土 -AKAZUCHI-ライブという構成。

会場の桜坂劇場に到着すると小中学生がならんでるし、テイクアウトの屋台もあるしで団地の縁日のよう。おもわず「家族経営のラッパー」ということばが浮かぶ。そして、ライブの別途ドリンク代1杯300円の心やさしき世界にじわじわ。(←わじわじではない)


軽く予測をうらぎられるこの展開。ドリンク担当の方によると「ア-ティストさんによって雰囲気は違いますね」とのこと。この日は、地域愛あふれる雰囲気の日だったよう。


第一部:「沖縄に産まれたラッパーRITTO『ウチナー音タイム』」42分、奥間勝也監督作品上映

RITTOさんと奥間監督は、那覇中学のサッカー部出身、つまり同じ地域で育った同級生。そのふたりがそれぞれの場(ラッパーとドキュメンタリー映画監督)で成長し、今回映像作品が作られることになった。

奥間監督は、RITTOさんや赤土クルー(=メンバー)のみんなから「かっちゃん」と呼ばれている。そのかっちゃんが身近で見てきたクルーをとらえた映像は、全編が心地よい雰囲気で満たされていた。


映像は、RITTOさんの単独ライブや日常、クルーの日々(「ベジタルサンドイッチ」や「波の上MUSIC & BARBER」を運営していたり、スタジオでリミックスしていたり)とインタビューを織り交ぜながら構成される。
 
42分間という映像の時間すべてにおいて境界線がなく、どこにも作られたドラマが存在しない。登場するものすべてに温かい視線が向けられたまま日常の物語が進む。

文字や音声による説明、大げさな効果音が挿入されないのも特徴のひとつで、それでいて、監督の繊細な編集の力量により、わからないままにされるできごとがわずかすらない。鑑賞する者は、余分な緊張を強いられず心地よさを感じたまま画面を眺めていられる。

映像の終盤に、RITTOさんの祖母が亡くなったという事実が発覚。シャーマンのような体質で強い言葉を持つ人だったというRITTOさんの祖母。その存在をリリック(歌詞)に落とし込んだときの過程がやわらかい夏の外光の下で語られる。

そして沖縄糸満の「平和の火」の映像を背景にRITTOさんが舞台にあらわれ、祖母をテーマにした楽曲がはじまる……。という演出が劇的で美しく息がつまりそうに。 

誕生したばかりのこの映像作品。さらりと見てしまえるのでその大きさが今はわからないかもしれないけれど、赤土クルーにとってもファンにとっても、また制作した監督にとっても、宝物のように大切な作品になっていくような気がする。

平和の火:沖縄糸満市にある平和祈念公園沖縄戦で命を落としたすべての人の名を刻印する「平和の礎(いしじ)」を見守るように「さざなみの池」が造られている。その中央で燃えるのが「平和の火」。

「平和の火」は、沖縄戦当時アメリカ軍が最初に上陸した座間味村阿嘉島(ざまみそんあかじま)で火打ち石を使って採取した火と、被爆地であるヒロシマの「平和の灯(ともしび)」、ナガサキの「誓いの火」を合わせてひとつにしたもの。

奥間 勝也:沖縄出身のテレビディレクターでありドキュメンタリー映画監督。現在、遺骨収集のガマフヤー具志堅隆松さんをテーマにした映画「骨を掘る男」を制作中(2022年公開予定)

これまでの作品に、沖縄を舞台にした「ギフト」、インドで制作した「ラダック それぞれの物語」がある。また、原爆映画をテーマにしたドキュメンタリー『いま甦る幻の映画「ひろしま」〜受け継がれていく映画人の想い〜』も。※それぞれの作品は映画祭での上映や奨励賞ほかの受賞歴があります。


第二部:赤土-AKAZUCHI-ライブ

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消毒液をシュワッ!(偶然にもスプレーの噴射が写り込んだ1枚)

今回ステージ上に、歌わない人が約1名おられた。失礼ですがラッパーじゃないですよね? みたいな人が。手に消毒スプレーのボトルを持ってシュッシュッてやってる。上記の写真 ↑ を見よ!


まるで沖縄の旧盆行事エイサーに登場するちょんだらーのよう。この人の存在がなんともゆるく、いい場を作ってくれていました。

※ちょんだらー=エイサーでの道化役
※すみません。この方も赤土クルーの一人だったとあとで知りました。すみません。


(今回、奥間監督の作品を見るために会場に出かけた筆者。じつは、RITTOさんや赤土のことをほぼ知らないまま、生まれてはじめてHIPHOPのライブを目撃しました。ライブ中は圧倒されたまま時間が経過。ライブについての感想が書けるほど見極めることができていません。ただ、奥間監督の映像の中で見たRITTOさんのリリック-歌詞-には激しく感じるものがあって、もっと知りたいなと思っています)

 ※入場者数を半数に抑えた状態でのライブ。ライブ中も席についたまま楽しんでいました。

※撮影は主催者に許可を得ていますが、写真がヘタすぎるのは許してください。(動いてる人がうまく撮れません)
 

・「すべてを大事にしていきたい」
「すべてを大事にしていきたい」は、RITTOさんのステージでの発言。仲間や家族、音楽、自分のまわりにあるすべてを大事にしていく。めまぐるしく変化する世界において、責任がともなうことばを発言できるってすばらしい。
 

・「みーふぁいゆー」
石垣島生まれのRITTOさん。最後は、石垣島の島言葉(シマクトゥバ)「みーふぁいゆー(ありがとう)」でしめてました。
 

・4号棟さんに、「4号棟ってなんですか?」と聞いてしまった話
 筆者「(物販コーナーの4号棟クレジットのCDを見ながら隣りにいた人に)4号棟ってなんですか?」
4号棟さん「自分のアーティストネームです。DJなんです。昔、団地の4号棟に住んでたんで」※繁多川(はんたがわ)の古い団地に住まわれていたとのこと。

なんと4号棟さんに、「4号棟ってなんですか?」と聞いてしまっていたのです。4号棟さん、ライブが始まったらステージに登場されてました。

ほかにも質問をした方がいたのですが、その方もステージに立たれてました。

・質問をしたときに感じた
4号棟さんももうひとりの方も、こちらの質問をガッツリ受けとめてくれる感じでした。先に安心感を差し出すというのかな、やりとりに余計な思惑がないのが伝わってきて、HIPHOPまわりの人たちって誠実なのだなと勝手に思ったのでした。

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今回のライブの告知として作られた予告編がこちらでみられます。