”かなわなかった夢” 書籍「隔離 故郷を追われたハンセン病者たち」徳永 進

 

「隔離 故郷を追われたハンセン病者たち」徳永 進(岩波現代文庫

「隔離 故郷を追われたハンセン病者たち」は、療養所に入所していた鳥取県出身のハンセン病者たちからの聞き取りをまとめた本。

※著者の徳永進氏は、鳥取出身、在住の70代医師。聞き取りがおこなわれたのは、著者が20代のころ。本の中では、「ハンセン病」ではなく従来の「らい」という呼称を使用。この記事でも同様にする。

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apple TV 配信ドラマ「Pachinko パチンコ」

2017年ごろ。英語圏に住む日本語の達者な人が書いていた。「こちらでは、ミン・ジン・リーという作家の”Pachinko”という小説がヒットしている。わしも今読んでいる」。その後、小説「パチンコ」は日本でも出版(2020年)。

そして、小説「パチンコ」を原作にしたドラマ「Pachinko パチンコ」が、apple TVのオリジナル番組として公開された(2022年)。

apple TVオリジナルドラマ「Pachinko パチンコ」

Pachinko パチンコ
生きていくため、そして豊かな暮らしを求めて祖国を離れた韓国人一家。その夢と希望への道のりを4世代にわたり描いた壮大な物語。ニューヨークタイムズ紙のベストセラーとなった小説が原作。

apple TV Pachinko パチンコサイト より

▼画像左から
主人公ソンジャの子供時代 チョン・ユナ、実業家コ・ハンス役 イ・ミンホ、ソンジャの夫イサク役 ノ・サンヒョン、主人公ソンジャの10代 キム・ミンハ、ソンジャの次男モゼス 新井総司、ソンジャの孫ソロモン役 ジン・ハ、ソンジャの老年時代 ユン・ヨジョン、ほかに、南果歩も永富越子役で出演

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大石芳野写真集「戦争は終わっても終わらない」

大石芳野写真集「戦争は終わっても終わらない」(藤原書店

長年にわたり、戦争や紛争の中に生きる市井の人々をとらえてきた大石芳野(よしの)さんの写真集「戦争は終わっても終わらない」。太平洋戦争が主題(本の中では「アジア太平洋戦争」と表記)。

長崎、広島、大久野島(おおくのしま)、第五福竜丸東京大空襲、中国、韓国、ニューギニア、沖縄をモノクロ写真で残している。

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壊れたカメラで慶良間(けらま)チージ

沖縄県那覇市ゆいレールおもろまち」駅から徒歩数分の高台に、「慶良間(けらま)チージ」と呼ばれる場所がある。慶良間は、慶良間諸島。チージは、頂上の意味で、「慶良間が見える丘」の意味になる。

※この記事の写真は、壊れたカメラで2020年に撮影したものです。たまたま見た記憶媒体にデータが残っていたので掲載します。レンズの不具合から、強制的に軟焦点(ソフトフォーカス)になっています。

おもろまち駅」の西側にある横断歩道。ここを渡り、右手方向に3~4分歩くと慶良間チージに行き着く。

新都心と呼ばれるおもろまち駅周辺は、かつてアメリカ軍に強制接収されアメリカ軍人用住宅地として長らく使用されていたエリア。1987年に返還され、ショッピングモールやDFS(免税店)、宿泊施設、オフィスビル、家電量販店、美術館、集合住宅、公園などが建造され商業とビジネスの街になった。

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映画「人生フルーツ」と書籍「ききがたり ときをためる暮らし」

映画『人生フルーツ』公式サイト
写真:田淵陸深(たぶちむつみ)

映画「人生フルーツ」は、愛知県春日井市高蔵寺(こうぞうじ)ニュータウンに住む津端(つばた)英子、修一さん夫婦の日常の暮らしを映像にまとめた作品。


英子さん修一さんのふたりは、更地だった300坪の土地に、自分で設計した家を立て、土を入れ種をまき、野菜を作り、花を咲かせます。ナラやクヌギケヤキ、ムクなどの木々は、今では立派な雑木林を作るまでになりました。

土を作り作物を育てる毎日を「ときをためる暮らし」と称し、春夏秋冬、朝昼夜、めぐる季節と時の中で、農作業と手作業にはげみます。

風や光、鳥の声、ふたりの暮らしを撮影する中で起きた大きなできごとも、躊躇することなく映像におさめています。

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赤と黒、そして青。書籍「原爆の絵 ヒロシマの記憶」

その日、1945年8月6日は快晴だった。

原爆を搭載したB29は、晴れわたる空を飛んできたという。

どこまでも青い空。

キラリと光る物体がすっと落とされた。

ピカッ、どーん!!

街は真っ赤になり地面は熱くなった。

その後世界は、赤と黒にいろどられた。


土埃が混じる黒い爆風。

建物は赤く燃え上がった。

爆風を受けた人の体から流れる赤い血。

やけどした皮膚は赤く腫れ、

ずるむけた皮膚は赤黒く沈んだ。

水を求めた人たちは、赤く茹だった体で防火用水や川に浮かんだ。

飛び出した内臓は、どのような色をしていたのだろう。

夜がきてからも、黒い空の下赤々と燃え続けた市街地。


当地に降った雨の色は黒かったという。

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総理大臣 業原(ごうはら)と白いけむり

沖縄糸満市平和祈念公園・「平和の礎(いしじ)」に刻まれた朝鮮人戦没者の名前(一部)2022年6月23日撮影


奈良県でボフッという白い煙があがった2022年7月8日。あのできごとを知った直後筆者は、「赤木さんはどうなるの! 責任をとらないでいくわけ~?」と叫んでいた。そして、あるTVドラマに登場していた総理大臣 業原(ごうはら)を思い出していた。

※赤木さん=森友学園に関する決裁文書を改ざんさせられ、後に自死に追い込まれた財務省近畿財務局の元職員、赤木俊夫さんのこと。

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