あまはじノート

amahaji note

セカオワ「SOS」と八重山(やえやま)の来訪神

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「このMVを作った人は、向こう側の世界に行ってしまった人たちの繊細な声を聞いたことがあるのかもしれない。聞いたことはなくてもきっと”知っている人”なんだろうな、創作の人だし」と思いながら見ていたセカオワSEKAI NO OWARI)の楽曲「SOS」のMV。

 

じつはこれ、

色という概念の存在しない世界が、セカオワの4人と色を持った怪物との出会いで色を取り戻していく。

OKMusicより引用 

という設定だったらしい。(知らんかった)監督は田向潤という人のよう。(これも知らんかった)

(”色という概念の存在しない世界”=モノクロームの世界は、傷ついたり休息を必要としていたりする人の内面をあらわしているとも思う。戦争や病気、トラブルなどにより極限状態にいる人には、世界がモノクロームに見えたり記憶されたりすることがあるというし)


書いておきたかったのは、この怪物は八重山の来訪神そっくりだよねということ。異界から1年に1度あらわれて祭りをおえるとまた向こう側に還っていく来訪神。MVの中で、色のない世界に降りてきて役目をおえたあと消えていく怪物の姿と重なる。

八重山のある島で出会った来訪神が夜が明けるころ、無言の「さようなら」をいいながら森の向こうに消えていった姿が今も忘れられない。ことばを持たない来訪神の声が聞こえたあのとき。

 

助けを求めてる人は毎日「助けて」と叫んでる

でもその音が続くとどんどん
聞こえなくなって無感覚になっていく
1回目は「助けて」が聞こえる

でもそれはそのうち「騒音」になる
そして「騒音」は「静寂」になっていく
こんな風に言うと難しいかもしれないけれど…

世界から音が消えたことを「幸せ」と呼び
消えてしまった音は「騒音」になる

世界から叫びが消えたことで
僕らは「無感覚」になる

 
SEKAI NO OWARI『SOS』(日本語歌詞)より引用

 

SEKAI NO OWARIセカオワ:2007年結成の日本の4人組バンド。メンバーは、FukaseNakajinSaori、DJ LOVE。

余談:MVの中で、Fukaseと怪物が手を合わせる場面が好きだな~。怪物の姿も来訪神にそっくり。来訪神は全身が葉っぱでおおわれている。今ではこの怪物にあいたくてMVを見るようになりました。