あまはじノート

amahaji note

no.2:ひまわり学生運動10年後の記憶

2014年3月18日

なぜ、学生たちは立法院を占拠したのか?

中国~台湾間で結ばれたサービス貿易協定(ATIS)の、議会での一方的で強引な取り決めの撤回を求めるため、です。

2013年6月21日、中国と台湾(この二国を指して”両岸”と呼びます)はサービス貿易協定(ATIS)に調印。この協定が実行されれば、金融や運輸、通信、建設、流通などの二国間の市場が開放され、取引が活発になります。

中国と台湾の規模を考えれば、影響力や圧力が強まることはあきらか。国民の不信感も大きく、立法院での審議を経ない限り協定は発効しないと与野党間でいったん合意。その後、審議会は回数を重ねます。


けれども2014年3月17日与野党が携帯スピーカーを持ち込む大騒ぎの中、審議は国民党により一方的に打ち切り(その間たった30秒)。審議が本会議におくられることが決まります。

本会議におくられれば、(国民党の議員の多さから)協定の批准は決定的。ここが、協定の成立への抵抗、ぎりぎりの地点。


この一方的な取り決め、また審議に正常な時間と手続きが取られなかったことへの不満から、立法院前で抗議活動を行っていた学生たちが、2014年3月18日の夜、立法院の本議会場への突入を試み成功。入口にバリケードを築き、占拠します。

ひまわり学生運動は、学生たちが起こした民主のための運動なのです。


おまえらー、たった30秒で勝手に決めてんじゃねーよ!! ちゃんと考えてんのかよ!?

ふざけてる? 自分たちは、黙ってねーぞ。おい!!


みたいな感じですかね?

 

多数制作されたポスターのうちの一枚(2014.3)


筆者は、「学生たちが中心となって抗議をし、立法院(国会)の本議会場を占拠した」という事実に、ただただ衝撃をうけます。

自分たちの抗議の意思を、社会にむけた直接的な事実として、あきらかにして見せた。

学生たちが、中国との自由貿易を、自分たちにかかわること、自分たちが反対運動すべきこと、と考えたのですから。


立法院の占拠は、 2014年3月18日 ~ 4月10日までの23日間続きます。

www.youtube.com


太陽花學運(ひまわり学生運動)のために滅火器樂團 (滅火器 Fire EX. )が制作した楽曲島嶼天光/Island's Sunrise』

 

映像の冒頭で、「因為我們是 民主的台灣!!!(なぜならわたしたちは 民主の台湾だから!!!)」と声をあげているのが、この運動の主導者のひとりである林 飛帆(リン フェイファン)。

0:44あたりで、画面中ほどを走っているのが、もうひとりの主導者である陳為廷(チェン ウェイティン)立法院の敷地内、議会場に突入する直前の映像です。


2:07あたりで、テレビのニュース画面を呆然と見つめる人たち、その後、議会場の中で泣く人たちの様子が写ります。このニュースは2014年3月23日、立法院近くにある行政院に学生たちが突入するも、警察に排除されてしまったときの様子です。

この排除の際に警察が学生をこん棒で打つ事実があり、大きなニュースになりました。


3:16あたりで歌っているハンチングの人が、台湾のロックバンド 滅火器樂團 (滅火器 Fire EX. )のリーダー楊 大正(ヤン ダージョン)で、この楽曲の作詞作曲を担当しています。


⦅あいまい情報⦆立法院への突入は、確か、裏口の警備が一時ゆるくなった時間があり、その瞬間をねらったと聞いたことがあります。

 

【参考資料】

太陽花10年後──10個值得被記住的關鍵字,它們為何需要被重新提起? - 報導者 The Reporter

台湾学生立法院占拠事件について


★楽曲の制作者、滅火器樂團 (滅火器 Fire EX. )についてはこちらを

amahaji.hatenablog.com



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※全体をまとまりのあるものにするため、あとで内容を加筆・修正することがあります。