あまはじノート

amahaji note

南島の詩人 八重洋一郎の「先生」という詩

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写真は2021年7月に撮影した沖縄島の樹

八重山石垣島の詩人に八重(やえ)洋一郎という人がいる。その人の作品「先生」という詩を読むと強烈に沖縄戦を感じる。

 

私たちの先生には障害者が多かった。

片手だけの先生 そでがぶらぶら 


ふとももから下がない先生 ズボンがひらひら

けっして足がまがらない先生

歩くときいつも気をつけ!

八重洋一郎「しらはえ」(以文社)より

 

戦争を経てからだのどこかが欠けてしまったり不自由になってしまった先生たち。


傷だらけででこぼこ。

 

沖縄戦のなれの

 

はて


若い 痛い 無惨な障害者が私たちの先生だった


八重洋一郎「しらはえ」(以文社)より

 
勝手かもしれないけれど、こんな先生たちに勉強を習ってみたかったし、会ってみたかったし、話してみたかったなとおもう。

 

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八重洋一郎詩集「しらはえ」(以文社

※「先生」が収録された八重洋一郎詩集「しらはえ」(以文社)は、沖縄県立図書館、那覇市立図書館に収蔵されています。ほかに、宮古島市立図書館、石垣市立図書館にも。

※「先生」のほかにも、沖縄戦をテーマにした詩があります。

沖縄の図書館で本を借りるには?
沖縄県立図書館、那覇市立図書館、石垣市立図書館では、1ヶ月以上の滞在が決まっていれば「短期滞在者用図書カード」を作ることができます。宿泊先の領収書などがあればOK。(沖縄県立図書館のみ申込日から30日以上の滞在日数が必要なので注意。那覇市立図書館、石垣市立図書館は多少融通がききます)

宮古島市立図書館については不明です。

 

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2021年7月 那覇市街地

筆者の余談八重山石垣島には昔から続く信仰の聖域、生と死の中間のような場所がまちのあちらこちらに残っている。石垣島に居住していたころ、そんな場所にたたずんで読書したり木々を眺めてぼんやり過ごすのが日課だった。


八重山を離れて数年後、2ヶ月間だけ石垣島に滞在した。そのときすでに、慣れ親しんでいたはずの空間は、道路からながめて通り過ぎるだけの場所に変化していた。 

今は、那覇のまちが親しみを感じる場所になっている。