赤と黒、そして青。書籍「原爆の絵 ヒロシマの記憶」

その日、1945年8月6日は快晴だった。

原爆を搭載したB29は、晴れわたる空を飛んできたという。

どこまでも青い空。

キラリと光る物体がすっと落とされた。

ピカッ、どーん!!

街は真っ赤になり地面は熱くなった。

その後世界は、赤と黒にいろどられた。


土埃が混じる黒い爆風。

建物は赤く燃え上がった。

爆風を受けた人の体から流れる赤い血。

やけどした皮膚は赤く腫れ、

ずるむけた皮膚は赤黒く沈んだ。

水を求めた人たちは、赤く茹だった体で防火用水や川に浮かんだ。

飛び出した内臓は、どのような色をしていたのだろう。

夜がきてからも、黒い空の下赤々と燃え続けた市街地。


当地に降った雨の色は黒かったという。

書籍「原爆の絵 ヒロシマの記憶」(日本放送出版協会 発行)

今から20年前(2002年)に、「被爆者が描く原爆の絵」の募集があった。広島への原爆投下直後の様子を、体験者に絵にしてもらうという企画。

被爆者が描く原爆の絵」は数ヶ月で1,000枚もの作品が集まり、NHKの番組で紹介された。この本は、1,000枚のうち約100点を収録したもの。

www.nhk-book.co.jp

描かれているのは、おそらく絵を描いた当事者の中でいちばん印象に残った場面かと思う。原爆の光の強さや激しさ、スピード感。全身やけどの人たちのうめき声。市電を降りようとしていたのか足を一段下げたまま黒焦げになった人は、口をぽかーんと開けているようにも見える。

川に浮かぶ灰色のふくれあがった死体。積み上げられた死体。燃やされる死体の頭だけが燃え残り死体の山からコロコロと転げ落ちた様子。

絵を描いたそれぞれの人の目と脳に記憶された原爆が表現されている。テキスト部分も必読。

calil.jp

古本で手に入れることができるほか、多くの図書館でも借りられるでしょう。カーリルは、最寄りの図書館の蔵書を調べるのに便利です。